
気になるベビーへの影響は?
一番気になるのがベビーへの影響。
“麻酔自体は母親に働きかけるものであって、ベビーへの影響はないに等しい”というのが、麻酔分娩を推奨する医師の見解です。
一方で、スウエーデンの産科医レナート・リグハート博士は、「出産時に薬剤(麻酔薬)を使用しなかった場合、ベビーを母親の胸にのせると自分でお乳まで這っていき吸いつくが、薬剤を使ったお産のベビーは胸の上にのせてもお乳に吸いつかない」という論文を発表しています(産後の生活上では、ベビーへの影響は発見されていません)。
「無痛分娩」が普及しはじめたのも近年のこと。ベビーの成長に伴う長期的な影響は、データがとれていないのが事実です。
「これだけ医療が発達しているのに、出産の痛みだけが残されているなんてナンセンス」という考え方もあるようです。確かに、体験談の影響で出産への恐怖心が強すぎたり、心臓疾患、妊娠中毒症などのリスクを抱えた人が、「無痛分娩」という選択肢があることで出産に前向きになれるとしたら、それは喜ばしいこと。
もし、どのように産みたいか迷ったときには、目線を少し変えて“おなかのベビーは、どんなふうに生まれてきたいのかな?”と考えてみては。
出産は、“あなたから生まれたい!と願ったベビーと、初めて対面できる瞬間”です。そんな素晴らしい場面を、さらに自分らしくポジティブな体験にするには、医師任せではなく、自分自身であらゆる出産方法のメリット・デメリットをリサーチし、納得できる方法を選ぶことが大切だと考えます。
【監修】
大葉ナナコ先生
バースコーディネーター 東京都青少年問題協議会委員
女子美術大学短期大学部生活デザイン科卒業。初産時から身体能力やセルフケア、精神保健に関心を持つ。カウンセリングやボディワーク、出産準備教育を学び、97年より出産準備クラスを開講。03年バースセンス研究所設立。05年日本誕生学協会を設立。子どもから大人まで、優しい誕生と出産の学びとセルフケア教育を普及する活動を、親たち・医師や助産師と展開中。21歳から7歳までの2男3女の母。「怖くない育児」、「えらぶお産」など著書・訳書多数。
2008/12/09更新