
出産施設選びのポイント
■その施設の方針をチェック
施設によっては、婦人科がメインで分娩を扱っていない施設もあります。
麻酔分娩が得意である、医療行為をできるだけしない分娩を好む、など施設によって方針もさまざま。これらを事前にリサーチし、また実際に足を運び、施設の雰囲気を感じておくことが大事です。
■バースプラン提出の可否
バースプランはコミュニケーションツールと考えましょう。
まずは自分がどんなライフスタイルでどんな出産を希望しているかを伝えます。せっかく考えて書いたバースプランも、施設の方針などで最初から受け取ってもらえなければ、意味がありません。
バースプランを提出できるかどうか、またはバースプランという方法ではなくても、自分の意向を伝えられる雰囲気や、受け入れてくれる柔軟さが施設側にあるかどうかを確認しましょう。「どんなルーティン処置をしますか?」「どんな場合に帝王切開になりますか?」など、質問を用意しておくと、対応もわかりやすいですね。
助産院の場合は、緊急時の医療体制をしっかりチェックしておきましょう。
■彼や家族の立会いができるかどうか
最近では立会いが可能な施設が多くなってきましたが、たまに立会い禁止の施設もあるようです。
「立会いはOK」という選択肢がある施設は、お産は家族にとって大切なこと、という理解のあると考えられるのではないでしょうか。「立ち会う」・「立ち会わない」は当人同士で決めるべきことです。
■カンガルーケアなど、産後ケアの内容
妊娠中は、“出産”がゴールのように思え、なかなか産後のことまで考えにくいものですよね。
ここでぜひ施設に確認してほしいのが、「カンガルーケア」の有無。「カンガルーケア」とは、生まれたばかりのベビーを裸のまま、母親の素肌に抱かせるというやさしいケアです。
また、産後できるだけはやく、母親の乳頭をくわえさせてあげることを、WHO(世界保健機関)は推奨しています。
WHOは、ベビーと母体のいずれかに異常がない場合は、母子同室で過ごすべきとしています。メリットとしては、匂いに敏感なベビーは、母親の近くで過ごすほうが安心する、母親も母乳の量が増える、ということが挙げられます。
施設側がこれらのケアを大切にしているかどうかは、大きな判断材料になるのではないでしょうか。
どこを選んでも、下地作りが肝心!
さまざまな施設、さまざまな医師や助産師、スタッフがいて、さまざまな思いや悩みを抱える妊婦さんがいます。
どの施設を選ぶにしても、やはり大切なのはお互いの「信頼関係」という下地作り。医師も人間ですから、相性が合う、合わないがあっても当然です。
せっかくの大イベント、心を許せる医師やスタッフと迎えられるにこしたことはありませんね。
人間的なあたたかい出産を実現するために、この下地作りによる不安解消効果はとても大きいもの。そしてこれは、妊婦さん側の歩み寄る姿勢が大事だと考えます。
是非、心をひらいて、お互いに何でも話せるような医師や助産師を見つけてください。
【監修】
大葉ナナコ先生
バースコーディネーター 東京都青少年問題協議会委員
女子美術大学短期大学部生活デザイン科卒業。初産時から身体能力やセルフケア、精神保健に関心を持つ。カウンセリングやボディワーク、出産準備教育を学び、97年より出産準備クラスを開講。03年バースセンス研究所設立。05年日本誕生学協会を設立。子どもから大人まで、優しい誕生と出産の学びとセルフケア教育を普及する活動を、親たち・医師や助産師と展開中。21歳から7歳までの2男3女の母。「怖くない育児」、「えらぶお産」など著書・訳書多数。
2009/01/16更新